H.Mさん 20代 女性 会社員
H.Mさんは新入社員で、雇入れ時の健康診断の際に保健師への相談希望がありました。
職場内個室でも面談可能とのことで日程調整をしました。
職場での様子
職場に個室を借りるため連絡をすると、普段の様子について情報がありました。
- 会議で居眠りをしている。
- 生理休暇を月2回とって、それ以外でも具合が悪そうにしている。
体調が悪いのか聞いてほしい、今後夜勤が入ってくるので大丈夫か気になっているとのこと。
H.Mさん以外は男性社員ということもあり、月経のことは話しにくいこともあって、保健師に体調確認を依頼された。
相談希望に対応する
学生時代より睡眠の病院に通院していた。
PMS(月経前症候群)※が1週間くらいあり婦人科にも通ってホルモン剤をのんでいた。※PMSは、Premenstrual Syndromeの略で、その日本語が「月経前症候群」。月経前=月経前の3~10日の間に続く精神的、身体的な症状で、月経が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりするものを指します。
PMSのときは眠気があったり、体がだるく、集中できない。
生理の時は布団から出られないくらいつらい。
就職し実家以外の県になったので睡眠と婦人科の病院に通院できていない。
上記のことがわかり、安定して仕事につけるように、前の病院または会社近くの病院に通うかどうするか、保健師がたずねました。
体調が悪く困っているので、会社近くの病院に変えて通院する、自分で病院は探すとのことでした。
本人の了解を得て上司に報告
上司が今後夜勤もあり、H.Mさんの体調を心配していることを伝え、本人の了解部分を上司に報告しました。
H.Mさんの希望があれば都度相談に対応すること、体調が不安定であるので当面は、年に2回は体調を確認することとしました。
新入社員の体調管理の重要性
新入社員は環境変化や引っ越しなど、これまでの生活習慣が送れなくなることもあります。
あわただしく過ごすうちに、治療が中断となっているケースもあります。
管理者側は仕事の覚えの進捗だけでなく、体調変化にも気を付けてもらうことが必要です。
特に管理者が男性の場合に、女性の体調についてはきいていいのか迷われる声も寄せられます。
入社時から保健師が相談窓口となることで、様々な角度からサポートでき、今後の連携にも役立ちます。
代表 野口 有美子 (のぐち ゆみこ)
事業内容 企業等に定期健康診断後の保健指導、健康テーマの研修、健康経営の相談、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、産業医や主治医・地域との連携等、健康管理のサービスの提供。働く人々の疾病予防、健康の維持増進。
保有資格 保健師 看護師 養護教諭一種 第一種衛生管理者免許 健康経営エキスパートアドバイザー(認定番号 EX23002053) 両立支援コーディネーター 認定フェムテックエキスパート
職歴
2002年 公益財団法人石川県成人病予防センターの保健師として、4年間石川県内の自治体や企業の健康診断、保健指導に従事。
2006年 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)金沢健康増進センターの産業保健師として17年間、社員約3,000人を支援。各種健康診断、保健指導、健康相談、メンタルへルス支援、健康増進企画運営、健康経営など新入社員からシニア社員まで幅広く社員の健康管理を経験。
2023年4月より石川産業保健総合支援センターの登録保健師として50人未満の中小企業の健康管理を支援中。
2024年4月より 石川県立看護大学 臨時助手
2024年4月より 金城大学公衆衛生看護学専攻科 非常勤講師
所属団体 日本産業衛生学会 産業保健看護部会 日本看護協会 石川県看護協会 石川県中小企業家同友会 日本開業保健師協会 NPO法人禁煙ねット石川 産業保健オンラインコミュニティ(通称COEDOH) 女性起業家交流会 in HOKURIKU(JKK)
学会発表
第87回日本産業衛生学会「イコちゃんカップ」ウォークラリーの 拡大定着に向けた取り組み
2014年日本産業衛生学会の生涯教育ガイドラインGood Practice事例に記載「イコちゃんカップ」ウォークラリーの拡大定着に向けた取り組み
第92回日本産業衛生学会 35歳時保健指導前後の定期健康診断結果の変化からみた若年支援の効果について
第94回日本産業衛生学会 A事業所の喫煙率低下及び受動喫煙防止意識向上のための喫煙対策5年間の取組み