退職代行サービスからの電話 心の健康づくりの振り返り

A. Sさん 40代 女性 経営者
「新入社員が指を紙で切るけがをして数日会社を休んだ。そのあとに退職代行サービスから電話がかかってきた。思い当たることがない。もし退職希望があっても変な扱いしないのに。」

T.Sさん 40代 男性 経営者
「賞与が出た後に新入社員のことで退職代行サービスから電話があった。ショックだった。」

「退職代行サービス」からの電話に対し、経営者の方々から戸惑いを伺いました。
弁護士、社会保険労務士等の専門家にご相談されると思います。

何だかすっきりしないモヤモヤが残ります。
経営者として経営に活かすためにも退職理由は気になるところです。

事例の社員がどのような経緯で退職に至ったのかは全くわかりません。ですが、近年は経済・産業構造がめまぐるしく変化する中、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が82.2%です。令和3年調査の53.3%から更に高くなっています。「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」(厚生労働省)

また、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発症し、あるいは自殺したとして労災認定が行われる事案が増加しています。令和4年度「過労死等の労災補償状況」「精神障害に関する事案の労災補償状況」(厚生労働省)

社会背景からも職場の心の健康づくりに積極的にかかわっていくことが人材確保、社会的信頼にもつながります。
この機会に貴社の職場における心の健康づくりを振り返ってみてはいかがでしょうか。

職場における心の健康づくり、メンタルヘルス対策のチェック

☑ 労働者の個人情報の保護に配慮している
☑ 心の健康づくり計画がある
☑ メンタルヘルス不調を未然に防止する取組(一次予防)をしている
☑ メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置(二次予防)を行っている
☑ メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援等(三次予防)がある
☑ 労働者に対して、セルフケア※1が行えるように教育研修、情報提供をしている
※1:自分自身のストレスやメンタルヘルスに対し正しく理解し、ストレスに対処すること
☑ 職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応、職場復帰支援などラインケア※2をしている※2:管理監督者がこころの健康に関して職場環境等の改善や労働者に対する相談対応をすること
☑ 事業場内産業保健スタッフ等※3がメンタルヘルス対策に連携してかかわっている
※3:産業医、衛生管理者、保健師、人事労務管理スタッフ、事業場内メンタルヘルス推進担当者など
☑ 事業場外資源※4による情報提供や助言を受けるなどのサービスを活用している
※4:都道府県産業保健総合支援センター、健康保険組合、中央労働災害防止協会、医療機関、医師会など
☑ 50人以上の事業所はストレスチェックを実施している。(50人未満は努力義務)労働安全衛生法第66条の10第1項

詳しく知りたい方はコチラから
職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

産業保健師として、こころの健康について個人や管理者、経営者からの相談を受けることが増えています。こころの健康は目に見えず、複雑です。

職場の心の健康づくりに手をつけようにもどこから始めて良いのか戸惑われるとも伺っています。

事業内産業保健スタッフが設置できない場合には、事業場外資源として開業産業保健師を活用するのも1つの選択肢です。

50人未満の事業所は無料サポートがあります。

全国の産業保健総合支援センター(さんぽセンター)はこちらからどうぞ
産業保健総合支援センター(さんぽセンター)| JOHAS(労働者健康安全機構)

石川県の石川中央地域産業保健センターの登録保健師として野口保健師事務所 代表 野口 有美子は所属しております。
石川中央地域産業保健センター « (med.or.jp)