部下 T.Mさん 30代 男性 会社員
上司 G.Hさん 30代 男性 管理職
メンタル不調で1年の休職後、復職し6か月が経ちました。
在宅勤務週3日と出勤しての勤務週2日をしています。
上司からの相談
上司G.Hさんは、部下T.Mさんに今後のキャリアとして経験してほしいこと、人材が足りないことから、夜勤ありの現場の仕事についてほしいと言います。
上司G.Hさんは月2回の打合せで、部下T.Mさんと夜勤につくことや仕事の分担について話しました。
部下T.Mさんは夜勤は、主治医から睡眠が乱れると体調が安定しないので夜勤はできない、現在の仕事の分担以上のことは難しいとのことでした。
上司G.Hさんは業務の進捗や成果物について都度打ち合わせているものの、コミュニケーションがうまくいっていないと感じています。
あまり、口うるさく言うと体調を崩すのではないかと不安があります。
一方で人材が足りず、他の同僚は人手不足の中きついシフト勤務で回しており、他の同僚にも示しがつかないとも言います。
部下T.Mさんの業務は主担当はなく、締め切りなく、負担のある業務ではない。会議の議事録も負担というならば任せる仕事がない。夜勤が難しいなら他の人の業務もやってほしい。
体調はどうなのか、保健師からも確認してほしいと相談がありました。
面談し体調を確認する
復職後の体調確認のため、本人に面談しました。
部下T.Mさんは、週に3日くらいは睡眠がうまくいっていない。寝付けないままうとうとし、2時間ごとに起きる。
食欲は普通。
体調に波があり、これ以上分担は増やせない。いっぱいいっぱい。少しずつ慣らしていっている。
上司とのコミュニケーションがうまくいっていないと思う。
今後の対応
復職後に安定して仕事に就けるか、週ごと、月ごと、数か月ごと、に体調確認が必要です。
上司への支援や周囲への配慮も非常に重要となります。
こちらのケースでは、主治医に現在の体調から業務上の配慮の有無や治療の見通しについて伺うことや、産業医との連携も必要です。
本人が自身の体調管理をどうしていくか、定期的な面談で打ち合わせてくこと、上司のメンタルサポートも含め連携していくことが必要です。
上司G.Hさんに負担がかかっているようであれば、他の管理職に部下T.Mさん担当してもらうことも良いかもしれません。
復職後のサポートから
復職後の体調管理についてどうすれば良いのかと管理職G.Hさんのように悩んでしまいます。
特に、こころの健康は関係者の連携したサポートが鍵となります。
参考資料 職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~000560416.pdf (mhlw.go.jp)
企業内に産業医や保健師がいない場合の無料相談窓口
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石川県の石川中央地域産業保健センターの登録保健師として野口保健師事務所 代表 野口 有美子は所属しております。
石川中央地域産業保健センター « (med.or.jp)
代表 野口 有美子 (のぐち ゆみこ)
事業内容 企業等に定期健康診断後の保健指導、健康テーマの研修、健康経営の相談、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、産業医や主治医・地域との連携等、健康管理のサービスの提供。働く人々の疾病予防、健康の維持増進。
保有資格 保健師 看護師 養護教諭一種 第一種衛生管理者免許 健康経営エキスパートアドバイザー(認定番号 EX23002053) 両立支援コーディネーター 認定フェムテックエキスパート
職歴
2002年 公益財団法人石川県成人病予防センターの保健師として、4年間石川県内の自治体や企業の健康診断、保健指導に従事。
2006年 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)金沢健康増進センターの産業保健師として17年間、社員約3,000人を支援。各種健康診断、保健指導、健康相談、メンタルへルス支援、健康増進企画運営、健康経営など新入社員からシニア社員まで幅広く社員の健康管理を経験。
2023年4月より石川産業保健総合支援センターの登録保健師として50人未満の中小企業の健康管理を支援中。
2024年4月より 石川県立看護大学 臨時助手
2024年4月より 金城大学公衆衛生看護学専攻科 非常勤講師
所属団体 日本産業衛生学会 産業保健看護部会 日本看護協会 石川県看護協会 石川県中小企業家同友会 日本開業保健師協会 NPO法人禁煙ねット石川 産業保健オンラインコミュニティ(通称COEDOH) 女性起業家交流会 in HOKURIKU(JKK)
学会発表
第87回日本産業衛生学会「イコちゃんカップ」ウォークラリーの 拡大定着に向けた取り組み
2014年日本産業衛生学会の生涯教育ガイドラインGood Practice事例に記載「イコちゃんカップ」ウォークラリーの拡大定着に向けた取り組み
第92回日本産業衛生学会 35歳時保健指導前後の定期健康診断結果の変化からみた若年支援の効果について
第94回日本産業衛生学会 A事業所の喫煙率低下及び受動喫煙防止意識向上のための喫煙対策5年間の取組み