働く女性の健康課題 生理の話題はタブーですか?~誰もが働きやすい職場を考える~

働く人の健康課題のいくつかの中で、女性の健康支援の需要は高まっています。

健康教育の一例をご紹介します。

生理の話題はタブーですか? あなたは タブー or オープン?

生理(月経)の教育はどのように受けましたか?
親子や友人で話題になったことがありますか?
異性の前では?

女性は小学校高学年くらいに授業があったかもしれません。男性はどうでしょうか。

家族や友人で生理の話題が出ることはありますか?

多くの場合、はばかられる話題、タブー視されている

異性の前ではなおのことタブー視されています。オープンに話せるのは少数派ではないでしょうか。

生理は「けがれ」とされてきた歴史

縄文時代には生理の際のにおいが、狩りの効率が落ちるので「月経小屋」隔離される時代がありました。差別的扱いを受けた歴史から、そのような雰囲気が残っています。

使い捨て生理用品ができたのは60年ほど前

今のような使い捨てナプキンが開発されたのは60年ほど前です。それ以前は、高貴な人々は布や紙が使えましたが、多くの人は植物などを代用していて、肌荒れや感染もあったようです。

労働基準法では昭和22年に生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置として使用者は、生理日の就業が著しく困難女性が休暇を請求したときは、そのものを生理日に終業させてはならないと明記されています。

現代の働く女性が生理で困っていること

生理の経血の量が多い。長時間抜けられない仕事のときは生理用品を交換できない。
椅子を汚したらどうしようと心配。
痛み止めを飲んでも腹痛や腰痛が月経痛が強い。
生理痛がひどいのは自分だけで生理休暇が取りづらい。
生理前は、感情が抑えづらく周りにあたってしまう。
眠くて仕事に集中できない。何気ない言葉でも、落ち込む。

生理休暇は昭和22年から法的にあった

働く女性の生理に対するサポートのひとつ、生理休暇は、昭和22年に労働基準法に制定されています。

労働基準法 昭和22年 法律第49号
生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置
第六十八条 使用者は、生理日の就業が著しく困難女性が休暇を請求したときは、そのものを生理日に就業させてはならない
※「生理日の就業が著しく困難」とは?
個人差はありますが
・痛み止めを使っても痛み止めが十分に効かず、痛みが続く
・生理による不快な症状が強い場合に1~2日間安静にしても、その症状が継続する場合
などが該当

生理休暇の実際 生理休暇利用率0.9%

法的には生理休暇がありますが、実際は利用されているのでしょうか?

生理休暇を有給とする事業所 29.0% (無給か有給かは企業側が決める)
女性労働者のうち、生理休暇の利用率 0.9%
令和2年雇用均等基本調査

症状があっても我慢する傾向に

生活全般や仕事に与える不快な症状は?
症状が強いが我慢している 66.4%
治療して症状が軽減している 5.1%
働く女性と生理休暇について令和5年9月28日厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課

治療して症状が軽減しているのは5.1%にすぎず、症状が強いにもかかわらず我慢している傾向にあります。

生理休暇は利用しにくい?

「生理の利用のしにくさ」で当てはまるのは?
男性上司に申請しにくい 61.8%
利用している人が少ないので申請しにくい 50.5%
休んで迷惑をかけたくない 36.2%
生理に対する女性の認識と生理休暇:日経BP「20~40代働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活調査」(2021年)

まだまだ、タブーの雰囲気があり利用しにくいと感じているようです。

症状が強い場合は、解決の糸口のため受診をおすすめします

生理休暇をとることも必要ですが、根本の原因検査や症状緩和のためにも受診をおすすめしています。

女性特有の健康課題は?

個人が困ること

相談体制の不備

・上司に相談しにくい(男性だと特に)
・女性特有の健康課題の経験ない女性に相談しにくい
・産業医や産業保健師がいない

症状を報告しにくい

・痛みに弱いや怠惰と誤解されやすい
・月経トラブルは病気ではない

職場での対応で困ること

周囲から声をかけにくい(男性からは特に)

・産業医・産業保健師の活用、健康相談窓口の設置
・日頃のコミュニケーションを大切に

プライバシーに関わる内容

・個人情報を守ると約束すること

これからの働く女性の健康支援のポイント

女性の健康サポートが人材確保の鍵に
女性は生理(月経)により、女性ホルモンの変動がある
生理に関する症状などは、個人差が大きい
働くうえで、不安を抱える女性は少なくない
職場全体で生理への理解を深め、相談しやすい職場環境づくりが必要

企業が取り組む女性の健康サポート

今回女性の健康に注目していますが、特別視してほしいということではありません。

女性が働きやすい環境を考えることは、誰もが働きやすい環境を考えるきっかけにもなります。

当事務所では働く女性の健康サポートをしています

働く女性のサポートは人材確保の鍵になります。

まず当事務所に相談してみませんか。初回相談は無料にて承っております。

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企業内に産業医や保健師がいない場合の無料相談窓口

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石川県の石川中央地域産業保健センターの登録保健師として野口保健師事務所 代表 野口 有美子は所属しております。
石川中央地域産業保健センター|一般社団法人 白山ののいち医師会