母の病気、私のストレス、そして介護のはじまり 働く世代の仕事と介護の両立のリアル

R.Tさん 49歳 女性 夜勤もある現場で働いています。

管理職ではないがリーダー的存在で、会社からも期待されています。

独身で母(79歳)と2人暮らし

母は足が悪いものの、家事もできて日常生活は問題ありませんでした。

母が大腸がんに 突然の介護の始まり

母がお腹の調子が悪いと言っていたので病院に行くように言っていましたが、数か月行かないままでした。

病院で検査をしたら、大腸がんと診断され、治療方針は、手術して抗がん剤はしないと選択しました。2か月入院しました。

母はがんのせいで栄養失調になっており、もっと早く連れて行けば良かったと思いました。

介護は“突然”始まる

介護が必要となった主な原因は、認知症、脳卒中、心臓病、骨折転倒となっています。認知症は、別居していると気づきにくく、急に進むことがあります。脳卒中、心臓病、骨折転倒は突然起こります。予測するということは難しいです。

自分の体調の異変

じんましん

母が入院した頃からじんましんが顔にでて化粧ができず、今まで使っていた化粧水でも肌が荒れました。

仕事の時はすっぴんでマスクをしていました。

病院に行っても、薬がなくなればまた悪化し、何度か病院も変えたても一緒でした。石鹸洗顔が良いときいて、試したら少しずつ良くなり、化粧水も無添加のものに変えました。

ぎっくり腰

母が退院するので、家の整頓や模様替えをしたときに、人生で初めてぎっくり腰になりました。

たまたま休みの前日で次のシフトには出勤できました。それから腰の調子が悪いです。

仕事への意欲

落ち込んで、働く気になれず仕事にもやる気がでませんでした。

同僚に、それストレスだよと言われて初めてそうかと気がつきました。

介護の始まりの時期と女性の健康

ちょうど更年期時期にさしかかり、ホルモンも乱れる時期に入ってきます。精神的にも乱れやすいです。
ホルモンの分泌が減ることで生活習慣病になりやすくなり、がんのリスクもあがります。

退院して、母の生活が今までと変わった

母の変化

ごはんが食べられないし、食べないので食べさせないといけない、

今まで利用していた2週間に1回の支援サービスに「行かない」と言いました。

通院も行く気力がないので、通院に付き添わなければならなりません。

病院で会計を済ませる間、「ここで待っていて」と約束したものの、違う場所にいました。言ったよねと言っても、忘れているのかわからないです。

市役所で手続書類がないと言い探しても見つからず、再発行を依頼しようと思っていたら、数日して別の場所から見つかりました。

「認知症の入口かもしれない。祖母の時もそうだった。」と思いました。

介護への戸惑い

終わりがみえない。どんどん悪くなると暗い気持ちになります。

介護と育児の違い
よく、介護と育児の特徴の違いが挙げられます。
介護の場合、個人差が大きく、介護は悪くなる一方です。支援制度を見ても介護は不十分です。制度も複雑で、住んでいる地域によっても支援が異なります。
さらに働いていて、介護する人への支援はさらにまだまだ不十分です。

介護と仕事との両立への不安

このままでは年休を使い切ってしまい、会社の介護の制度は条件に合わず使えません。

上司が勤務を配慮してくれて何とかやりくりできましたが、これから介護状態がひどくなっていく一方で両立できるか不安があります。

自分と同じような人がいるのでしょうか。

介護で仕事を辞める?

介護により仕事をやめざるを得ない状況もあります。
年間約10万人が介護離職しています。そして、女性の比率は7割以上で女性が介護により仕事を辞めることが多い現状にあります。
一度辞めると再就職が難しいですし、キャリアも中断されます。収入・生活に大きな影響もあります。
介護との両立支援は女性の雇用を守り、人材の確保にもつながります。

使える支援の相談

ケアマネージャーと相談

どの制度が使えるのか、メリットデメリットを教えてもらって、少し気が楽になりました。

ようやく母が支援サービス行ってみようかとなり、行き始めたところです。

介護への向き合い方

介護ばかりのこのままではいけないと、仕事の目標を新たに設定し、前向きな気持ちになりつつあります。

親を介護する思い

親なのでみてあげたい、まだできるのではと思ってしまい、気づかなかった自分を責めていました。当事者になるとどうしても入り込んでしまいます。

反対に、介護ばかりで、自分のやりたいことが犠牲になっていると思ってしまうこともあります。

うまくバランスをとることが難しいです。

介護と仕事の両立には?

  • 介護は突然始まる
  • 制度・サービスを知って備える
  • 一人で抱え込まない
  • 自分自身の健康も大切に

もし明日から介護が始まったら?

最初に誰に相談しますか?相談した方が良い人は誰ですか?会社で使える制度はありますか?

実際にイメージしてみませんか。

育児・介護休業法 改正 令和7(2025)年4月1日から段階的に施行

男女とも仕事と育児・介護を両立できるように、育児期の柔軟な働き方を実現するための
措置の拡充や介護離職防止のための雇用環境整備、個別周知・意向確認の義務化などの改正を行いました。

介護に関してはこれから増えていくことは間違いないですが、実態に即しているか、はこれからの課題です。

当事務所では両立支援をしています

社員のこころとからだの健康を把握し、マネジメントすることは人材確保につながります。

介護との両立は、まだまだ始まったばかりで日本のこれからの課題です。

丁寧に個別に対応していくことが大切に思います。

当事務所へのお問い合わせはこちらから→https://noguchip.com/contact

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石川県の石川中央地域産業保健センターの登録保健師として野口保健師事務所 代表 野口 有美子は所属しております。
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