Y.Yさん 40代 女性 会社員
Y.Yさんの仕事内容はデスクワークが中心です。以前より肩こりがあり、忙しい月末や年度末はさらに肩が凝り、頭痛も加わります。
頭痛までくると頭がぼーっとして、肩も重く、思うように仕事がはかどらず、イライラしてしまうそうです。
企業の労働生産性の損失を考えるときに、何らかの病気で会社を休むこと、アブセンティーズムといいます。
一方で、Y.Yさんのように「出勤はしているけれど肩こり頭痛などで体調が優れず集中できない」といった出勤していても体調不良で生産性が低下していること、プレゼンティーズムといいます。
この2つの状態どちらの労働生産性の損失が大きいでしょうか?
実は、「出勤していても体調不良で生産性が低下していること(プレゼンティーズム)」の方が労働生産性の損失が大きいという研究結果です。
体調不良の原因に、慢性疲労症候群、うつ病、腰痛、頭痛、花粉症などのアレルギー症、生活習慣病等が挙げられます。
企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)経済産業省 商務情報政策局ヘルスケア産業課(改訂第1版)kenkokeiei-guidebook2804.pdf (meti.go.jp)
健康リスクが低リスクレベルと高リスクレベルを比較すると、高リスクレベルの従業員は約3倍の損失コストが発生しているとも言われています。
中小企業における労働生産性の損失とその影響要因 古井 祐司(東京大学特任教授)村松 賢治(東京大学受託研究員)井出 博生(東京大学特任准教授)049-061.pdf (jil.go.jp)
従業員の健康リスクを下げることが企業の生産性にも良い影響があるという健康経営が広まってきています。
具体的な取り組み例には、
- ノー残業デー、バースデー休暇など休息をとりやすい仕組みづくり
- 健康診断の結果で要検査となっている従業員へ受診をすすめる
- 健康診断の結果で要改善となっている従業員へ保健指導を実施
- うつ病予防であれば、ストレスチェック等、心の健康づくり体制を整えること
- 朝礼や休憩時間に軽いストレッチを促す
心身ともに健康な状態であれば本来の能力・パフォーマンスが発揮でき生産性の向上にもつながります。職場の健康課題に応じた健康経営の取り組みを考えてみませんか?
代表 野口 有美子 (のぐち ゆみこ)
事業内容 企業等に定期健康診断後の保健指導、健康テーマの研修、健康経営の相談、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、産業医や主治医・地域との連携等、健康管理のサービスの提供。働く人々の疾病予防、健康の維持増進。
保有資格 保健師 看護師 養護教諭一種 第一種衛生管理者免許 健康経営エキスパートアドバイザー(認定番号 EX23002053) 両立支援コーディネーター 認定フェムテックエキスパート
職歴
2002年 公益財団法人石川県成人病予防センターの保健師として、4年間石川県内の自治体や企業の健康診断、保健指導に従事。
2006年 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)金沢健康増進センターの産業保健師として17年間、社員約3,000人を支援。各種健康診断、保健指導、健康相談、メンタルへルス支援、健康増進企画運営、健康経営など新入社員からシニア社員まで幅広く社員の健康管理を経験。
2023年4月より石川産業保健総合支援センターの登録保健師として50人未満の中小企業の健康管理を支援中。
2024年4月より 石川県立看護大学 臨時助手
2024年4月より 金城大学公衆衛生看護学専攻科 非常勤講師
所属団体 日本産業衛生学会 産業保健看護部会 日本看護協会 石川県看護協会 石川県中小企業家同友会 日本開業保健師協会 NPO法人禁煙ねット石川 産業保健オンラインコミュニティ(通称COEDOH) 女性起業家交流会 in HOKURIKU(JKK)
学会発表
第87回日本産業衛生学会「イコちゃんカップ」ウォークラリーの 拡大定着に向けた取り組み
2014年日本産業衛生学会の生涯教育ガイドラインGood Practice事例に記載「イコちゃんカップ」ウォークラリーの拡大定着に向けた取り組み
第92回日本産業衛生学会 35歳時保健指導前後の定期健康診断結果の変化からみた若年支援の効果について
第94回日本産業衛生学会 A事業所の喫煙率低下及び受動喫煙防止意識向上のための喫煙対策5年間の取組み