Y.Sさん 20代 男性 会社員 新入社員
新入社員と面談した際に睡眠についての話がありました。
新入社員Y.Sさんの睡眠習慣
寝坊して朝礼に間に合わなかったこと2回ある。今はギリギリ間に合っているから、大丈夫。
夜中オンラインゲームをするか、動画見ていたりすると夜中2時か3時に。
朝はアラーム鳴ってもだるくて、着替えてすぐ家を出る。朝ごはんは食べる時間ない。
休みの日は昼12時くらいに起きて、夕方お腹減って結構量食べるから1日1食。
仕事の入力中に眠くて、いつの間にか寝てかくっとなることある。仕事はできているし大丈夫。
だけど、上司からこのままでは評価に響くと言われて、もう遅刻はしたくない。
睡眠のズレが体内時計のズレとなりパフォーマンスが落ちる
新入社員Y.Sさんは夜中まで起きており、十分な休養が取れているか不明です。昼間に眠気があることから足りていないと思われます。
夜中まで起き、加えて朝ごはんを食べていないことで体内時計がずれています。体は今が朝か夜か、活動時間か休息時間かわからない状態です。
消化や活動のサイクルがめちゃくちゃで、食べても栄養にならずため込み、循環の悪い体となり、負のスパイラルになってきます。
集中力も欠け、パフォーマンスを発揮できません。
事業者には安全配慮義務がある
事業者は、従業員が安全で健康に働けるように配慮する、「安全配慮義務」があります。
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」(労働契約法5条)
「生命、身体等の安全」には、心(メンタル)の安全や健康も含まれます。
自己保健義務の意識
特に社会人になって間もない方で、「会社と労働契約をしており、労働に対し賃金が支払われること」働くことへの意識が薄い方を見かけます。
そのような方は、仕事ができる健康状態に自身で努める「自己保健義務」についても同様に意識が薄いです。
先の安全配慮義務と、事業者と労働者が双方が協力することで成り立っていきます。
新入社員からは自律した生活習慣が求められる
学校では保健室の先生がおり、保健だよりで情報得たり、困ったことがあれば相談できます。
社会人になったらどうでしょうか?
社会人は生活習慣を整えることに自律が求められます。
大企業であれば常勤の産業医や保健師がおり健康管理をサポートしていますが、それは約1割の企業です。企業で働く人々は健康管理のサポートには企業によって大きな差があります。
新入社員当時は健康に関心が薄い
新入社員は若いので、睡眠や生活習慣が乱れていても、心身に影響が出ることは少なく、改善しようとも思いません。
しかし、環境変化の大きい新入社員の時に体調を崩すことも少なくありません。
特に新入社員は睡眠習慣を整えることがパフォーマンスにつながる
睡眠習慣の状況を伺い、改善するだけでも体調が良くなります。体調が良ければパフォーマンスもあがります。
新入社員からの健康管理の重要性
もし、新入社員から健康について情報提供、相談できる環境があれば、早めに軌道修正できます。
良い生活習慣が身につき、年を重ねても悪化しない、適切な医療を早期に受けることができます。
新入社員だからこそ生活習慣病予防を始める意義は大きいです。
代表 野口 有美子 (のぐち ゆみこ)
事業内容 企業等に定期健康診断後の保健指導、健康テーマの研修、健康経営の相談、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、産業医や主治医・地域との連携等、健康管理のサービスの提供。働く人々の疾病予防、健康の維持増進。
保有資格 保健師 看護師 養護教諭一種 第一種衛生管理者免許 健康経営エキスパートアドバイザー(認定番号 EX23002053) 両立支援コーディネーター 認定フェムテックエキスパート
職歴
2002年 公益財団法人石川県成人病予防センターの保健師として、4年間石川県内の自治体や企業の健康診断、保健指導に従事。
2006年 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)金沢健康増進センターの産業保健師として17年間、社員約3,000人を支援。各種健康診断、保健指導、健康相談、メンタルへルス支援、健康増進企画運営、健康経営など新入社員からシニア社員まで幅広く社員の健康管理を経験。
2023年4月より石川産業保健総合支援センターの登録保健師として50人未満の中小企業の健康管理を支援中。
2024年4月より 石川県立看護大学 臨時助手
2024年4月より 金城大学公衆衛生看護学専攻科 非常勤講師
所属団体 日本産業衛生学会 産業保健看護部会 日本看護協会 石川県看護協会 石川県中小企業家同友会 日本開業保健師協会 NPO法人禁煙ねット石川 産業保健オンラインコミュニティ(通称COEDOH) 女性起業家交流会 in HOKURIKU(JKK)
学会発表
第87回日本産業衛生学会「イコちゃんカップ」ウォークラリーの 拡大定着に向けた取り組み
2014年日本産業衛生学会の生涯教育ガイドラインGood Practice事例に記載「イコちゃんカップ」ウォークラリーの拡大定着に向けた取り組み
第92回日本産業衛生学会 35歳時保健指導前後の定期健康診断結果の変化からみた若年支援の効果について
第94回日本産業衛生学会 A事業所の喫煙率低下及び受動喫煙防止意識向上のための喫煙対策5年間の取組み